日本の自転車事情・ 世界の自転車事情

1.5人に1台。日本は世界的自転車大国です。
「自転車大国」この言葉を聞いてあなたはどこの国を思い浮かべるでしょうか。2005年におこなわれた調査※1によると、日本の自転車保有台数は約8,600万台、つまり、国民1.5人につき1台の自転車を保有していることになります。これは米国の2.6人に1台※2、フランスの2.6人に1台※3、中国の2.7人に1台※4と比べてもわかるとおり、世界でもトップクラス。通勤・通学、日常の買い物に、そしてサイクリングなどスポーツや余暇を楽しむ道具として、多くの国民が自転車に親しんでいる日本は、世界的自転車大国なのです。

※1(財)自転車産業振興協会自転車統計要覧(第41版平成19年11月発行)による
※2 1998年統計による3 2000年統計による4 2004年統計による


自転車に乗り、楽しみながら、 からだと心の健康づくり。

「脚が鍛えられる」「全身運動だから体力づくりにいい」「有酸素運動だから体脂肪が燃える」など、自転車が健康にあたえる好影響が注目されています。自転車に乗ればもちろん脚の筋肉も鍛えられますが、より大きな特長は心肺機能が鍛えられること。脚には大きな筋肉※1が集中してし、るため、長時間自転車をこいでいるとカロリーをたくさん消費し、大量の酸素が必要となります。そのため、酸素を体内に取り入れるための心肺機能も鍛えられていくというわけです。
このような有酸素運動※2の代表的なものとしては、エアロビクスや水泳、ジョギングなどがあげられますが、自転車に乗ることはもっとも手軽におこなえる有酸素運動といってもいいでしょう。体脂肪を燃焼させるためにはある程度の時間、運動を続けることが必要ですが、風をうけ、景色を楽しみながら自転車に乗れば、あまり負担を感じることなく時間がたってしまうのでは…。走ることで気分転換ができ、ストレス解消にも役立つはずです。
※1膝関節の曲げ伸ばしに関わる大腿四頭筋や大腿:頭筋、かかとをあげる腓腹筋など
※2体内に酸素を大量に取り入れることによって、心臓や肺の機能を高め、健康を増進させる運動法の総称。

 大統領を救ったのは自転車だった!?

1970年代、米国では爆発的なサイクリング・ブームがおきました。これは、当時の大統領アイゼンハワー
氏が心筋梗塞の手術を受けた後、主治医だったD・ホワイト博士が「薬をのむより自転車を」と、手術後は絶対安静という当時の常識を破って自転車でのリハビリテーションを熱心にすすめ、その結果みごと大統領が健康を回復したから。当時は自転車屋さんの店頭から自転車がすべて消えてしまった、と言われたほどのブームだったとか…。

 

 フランス・パリ市内を自由に!新レンタサイクル

「Velib ヴェリブ」
2007年7月15日、パリでスタートしたのが「Velib」(ヴェリブ)」と呼ばれるレンタサイクルシステム。自転車を意味する「Velo(ヴェロ)」と自由を意味する「liberte'(リベルテ)」を組み合わせてつけられたそのネーミングが表すように、排ガス対策の一環として自転車でパリ市内をより自由に移動できるよう考えられたシステムです。
パリ市内の約1,500力所に自転車を借りるための発券機と約2万台の自転車が配置され、300メートルおきに自転車駐車スペースが設置されました。利用者は発券機からパスを購入して自転車をレンタルします。パスは1日1ユーロ。1週間なら5ユーロです。
レンタル開始と共に人気を呼び、グレーの自転車をさっそうと乗りこなすパリジャン、パリジェンヌの数はこれからもどんどん増えていくことでしょう。
このような、新しいレンタサイクルは世界的に注目を集めています。

  欧米諸国・ 自転車先進国それぞれの取り組み

1人当たり1.3台と、日本に匹敵する自転車保有率を誇るドイツでは、1980年代に酸性雨が原因で「黒い森」が枯れはじめたことから環境に対する意識が高まり、そのひとつとして1989年に「自転車にやさしい市町村づくり」構想が発表されました。道路や自転車駐車スペースの整備と並び、1996年からは、自転車駐車スペースと自転車利用者のための総合的なサービス施設を全国に設けるという「ステーション100」計画を推進しています。
一方、米国では、長年にわたり交通システムのプランニングは自動車を中心に考えられてきました。しかし、1991年、議会で交通システムにおける自転車の重要性を認め、各州に「バイシクル・コーディネーター」を置くことを要求した画期的な法案が通過。現在では、各州の「バイシクル・コーディネーター」が、州内の自転車に関するすべての問題に対応しています。

 日本・名古屋  自転車通勤で通勤手当て倍増!

日本でも各自治体や企業で、積極的な自転車の活用が進められています。1999年、国土交通省は「自転車利用環境整備モデル都市」に全国の19都市を指定。自転車駐車場や道路整備事業を積極的に支援しています。モデル都市のひとつ愛知県名古屋市では、2001年春から、職員の通勤距離に応じて自転車通勤の通勤手当を最大でそれまでの2倍の4,000円に増額、逆に自動車通勤の通勤手当を半額の1,000円にする仕組みを取り入れました。環境都市をめざし、近距離通勤の手段を自動車から自転車へと転換を図るためです。市道などの通行量が多い歩道では、植栽や色で自転車と歩行者を分ける工事も進んでいます。その結果、2007年現在、自転車通勤をする職員は約1.800名。6年間で2倍以上に増えました。

 赤ちゃんもおばあちゃんもひとり1台!?

オランダの自転車保有率はなんと0.9人に1台( 2002年統計による)。
赤ちゃんからお年寄りまで含めても、全国民が1人1台以上の自転車をもっていることになります。これだけの自転車人口を抱えている国ですから、きっと今日も自転車専用道路を、たくさんの自転車が行き交っていることでしょう。
(財)自転車産業振興協会自転車統計要覧 (第41版平成19年11月発行)による