長寿命化設計による折り畳み自転車」展
     平成23年2月1日(火)〜3月27日(日)
   科学技術館2階情報室  9:30〜16:50
 
  主催 (財)自転車産業振興協会 技術研究所
     
会場のようす

 昨今様々な業種・製品において、循環型社会の構築に即した環境の3R(リデュース、リユース、リサイクル)について対策が行われてきました。当然、自転車業界においても例外ではなく、各自転車メーカーで様々な取り組みが行われています。
財団法人自転車産業振興協会技術研究所(以下、技術研究所)では、自転車に関して3Rや環境負荷物質といった環境に関する調査・研究を行ってきました。平成21年度から進めております「自転車の3R設計促進」事業では、3Rのうち最も優先順位の高いリデュースに関連して、自転車の物理的な寿命を延ばす長寿命化設計の考え方を提案し、今後の方針を作成することを目的として、事業を進めてまいりました。
 長寿命化設計の対象としたのは折り畳み自転車です。車のトランクに積載し、郊外でサイクリングを楽しむ、あるいは列車に自転車を持ち込むなどできるのが折り畳み自転車の特徴ですが、近年では値段の安い、あるいはおしゃれな外観を持つ折り畳み自転車も多く発売されており、通勤や通学など、シティ車と同じ環境で日常的に使用される頻度も高まっています。しかし小さく折り畳める機能を持つことで、シティ車と比べ破損しやすい箇所も生まれ、物理的な寿命が短くなることも考えられます。
 そこで平成21年度は、自転車メーカー7社と実際に発売されている折り畳み自転車について、試験等の調査や長寿命化設計方法について検討し、長寿命化のために有効な設計方法をまとめた「折り畳み自転車長寿命化設計」を作成しました。
 平成22年度は、その設計方針を元に自転車メーカー5社に御協力いただき、「長寿命化設計による折り畳み自転車」を開発・試作しました。従来の折り畳み自転車にはない機構を取り入れたものや、従来と見た目を変えないで長寿命化の工夫がされているもの等、様々な特徴をもつ折り畳み自転車を製作することができました。
 今回の展示は「長寿命化設計による折り畳み自転車」展と題し、3Rに関する啓発や、技術研究所で行ってきた試験の内容と共に、実際に試作された折り畳み自転車を展示します。3Rについては本事業の趣旨に結びつく「リデュース」や「長寿命化設計」等の内容に関して分かりやすく解説し、試験内容については普段見ることができない自転車フレームの強度に関する試験機についてパネルと映像による解説を行います。また、折り畳み自転車については試作車の展示と共に、どのような長寿命化設計の工夫がなされているかをパネルにて解説します。

[展示自転車]

事例@ ジック株式会社
【長寿命化設計のポイント・・・ヒンジ接合面の改良】
試験結果からヒンジ接合面に凹凸を付け、力を緩衝する緩衝材を取りつけました。また、取り扱いやすい折り畳み機構を採用しました。
事例A パール金属株式会社
【長寿命化設計のポイント・・・フレーム強度の向上、ヒンジ・レバーピンの改良】
パイプ形状や、肉厚を試験結果より検討し、最適なものとしました。また、ヒンジのクイックレリーズレバーの固定精度を上げ、耐久性アップを図りました。
事例B ブリヂストンサイクル株式会社
【長寿命化設計のポイント・・・新たな機構構造、継ぎ手接合方法の改良】
折り畳み操作のバラツキを抑制するため、新たな折り畳み機構を採用しました。また、継ぎ手の接合方法も改良し、応力値を下げました。
事例C ホダカ株式会社
【長寿命化設計のポイント・・・パイプ形状、肉厚の変更、強度解析による設計】
十分な強度のある箇所について肉厚を薄くし、強度アップが必要な箇所はパイプの形状変更を行いました。また、実際の試験結果とモデル強度解析結果を比較することで最適な形状としました。

     

事例D 株式会社丸石サイクル
【長寿命化設計のポイント・・・折り畳みヒンジ部の変更】
ヒンジ部をプレス製から鍛造製のものに変え、寸法精度の向上やヒンジ接合面の接触面積を増やしました。また、取り扱いやすい折り畳み機構を採用しました。