[幼児乗せ]
前カゴが普及を始めた昭和30年代にも幼児を乗せるための座席がオプションとして発売されていました。ハンドルを間に挟んで、前にカゴ、後ろに座席を装着していましたが、装着方法は自転車のフレームによってダイヤモンド形フレーム装着用(写真1・2)とループ形フレーム装着用(写真3)の2種類がありました。ダイヤモンド形ではトップチューブに固定、ループ形ではハンドルバーに掛けて固定します。 |
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素材は金属製が主ですが、籐製もありました(写真4、5)。 |
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前カゴをハンドルの前に、幼児用座席をハンドルの後ろに取りつける方法は昭和62年に丸石自転車が「ふらっかーず」を発売するまで変わりませんでした。「ふらっかーず」は前カゴの位置をハンドルの回転軸上に取り付ける方式を採用したのです(写真6)。ハンドルを車体に取り付けるためのステムと呼ばれる装置をなくし、アップハンドルを直接車体に取り付け、その取り付け部分に前カゴを置くことで、前カゴの重心の位置を下げたのです。この結果、ハンドル操作を行っても重心の移動が非常に小さくなり、たくさんの荷物を積んでも従来の前カゴの設置方法よりもふらつかないことになります。 |
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写真6
前カゴをハンドルに挟むようにして、底面の中心が車体とハンドルを取り付ける位置にくるよ
うに設置したことで、ふらつきが少なくなった
(昭和63年発行の丸石自転車のカタログより)
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| 発売当初から幼児乗せ兼用前カゴ(写真7)もオプションとして発売されたのですが、広告のキャッチフレーズは荷物を「たくさん積んでもふらつかない」ことでしたので、幼児用座席というよりは前カゴに足を通す穴を空け、足置きをつけただけのものでした。このため、このときはまだ従来からの自転車の利用形態の一つである買物のためという目的に変化はありませんでした。 |
表3 昭和60年発行のブリヂストンサイクルのカタログにおける車種分類 |
シテイサイクル |
ホームサイクル |
13種類 |
13種類 |
軽快車 |
ミニサイクル |
ミニサイクル |
軽快車 |
ミニサイクル |
ミニサイクル |
26インチ |
24インチ |
22インチ |
26インチ |
24インチ |
22インチ |
6種類 |
8種類 |
1種類 |
6種類 |
13種類 |
3種類 |
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写真7
ふたを開けると足を通すことができる
(昭和63年発行の丸石自転車のカタログより) |
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しかし、その形状とカゴの大きさから販売実績は丸石自転車が当初期待していたほどは伸びませんでした。しかし、乗せる重さに対する自転車の安定性は優れており、この位置に幼児用座席を取り付ければペダルをこぐときも足が幼児用座席に当ることもなく、お母さんでもスマートに運転することができます。こうした理由から、荷物を乗せるのではなく幼児を乗せるための自転車に方向転換し、足置きのためにカゴの底を穴開け型から全開型へ変更し平成3年4月「ベビーサイクル ふらっかーず」として販売を始めました(写真8、9)。ここで初めて幼児乗せ用自転車が誕生したのです。同年11月からある雑誌とタイアップして商品開発を進め、同4年には後輪26インチに対して前輪を24インチにすることで幼児用座席の高さを低くして幼児を乗せやすくする工夫がほどこされるようになりました。 |