第20回自転車旅行フェスティバルが開かれた、パリ北郊外のサンドニにある市立労働会館。


  自転車旅行フェスティバルは、世界一周を始めとする自転車による長距離旅行者が制作したスライドの映写会と、自転車旅行の体験記を販売するスタンドが主体のサロンからなる。第20回目を迎えた今年のフェスティバルは、2005年1月22日と23日の週末の2日間にわたって開催された。例年のごとく、会場はパリ北郊外サンドニにある市立労働会館であった。

  同フェスティバルの主催者は、第1回目から変わらず、国際シクロキャンピングクラブ(CYCLOCAMPING INTERNATIONAL, CCI)である。CCIは、1982年に創立されたが、その名前のとおり、シクロキャンピング愛好家のためのクラブで、パリに本部がある(連絡先は下記参照)。500名の会員を誇り、世界的にみて、日本アドベンチャー・サイクリストクラブ(JACC)と並んで、代表的なクラブといえる。

 
  フェスティバルの開場時間は、1月22日(土)が、11h00〜23h00で、1月23日(日)が、10h30〜18h00であった。入場料は、2日間の通しで、30ユーロ(1ユーロ=145円とすると、4.350円)であったが、10才以下は無料となった。

タンデムクラブ・ド・フランス(タンデム愛好家の仏全国組織)のスタンド。
スライド映写会の会場。パオロッティCCI会長の挨拶を聞く超満員の観客。


スライド映写会のプログラムは以下のとおりであった。

 2005年1月22日(土)

 11h00、開場・受け付け・サロン等が開く
 11h30よりパオロッティCCI会長の挨拶
  第1部

『エチオピア縦断自転車旅行』、上映時間は20分、制作は、カトリーヌ&オリビエ・ブルゲ夫妻。27才と28才のベルギー人のカップルで、2002年7月に行った。
『ドイツの黒い森から黒海までのダニューブ河沿いの自転車旅行』、上映時間は35分、制作は、ベッティ&ジャンピエール・ジャカン夫妻。ダニューブ河沿いの国と、トルコを経てシリア(友人がいる)までの旅。一部、シルクロードを走る。2003年に行った。

 
  14h30より第2部

『フランス西部(ナントからブレストまで)にある運河沿いを行く自転車による家族旅行』、上映時間は30分、制作は、クリスチャン・ロランド氏とその家族(奥さんと子供2人)。ロランド氏は映写機を操作しながらコメントした。
『ヒマラヤ山脈にある世界で最も高い峠超え』、上映時間は40分、制作は、クリストフ・タッチュ氏。タッチュ氏は、従兄弟のビルジニ君と共に、4000m級の峠を8つ(内2つは、世界で最も高い峠に分類されている)超えた。

 
  16h30より第3部

『ヨーロッパの対極にある東洋への旅』、上映時間は35分、制作は、エマニュエル・ビロ氏と2人の友人(24〜25才)。ビロ氏以下の3人組は、フランスからブルガリア等を経てトルコまで自転車旅行した。
『アメリカ(デンバーからサンフランシスコまで)を自転車で一人旅』、上映時間は30分、制作は、セルジュ・ルッソー氏。アメリカのデンバーで開かれたCCI主催の合同シクロキャンピングの後、単独でサンフランシスコまで旅した。


 18h30より第4部

『5人家族による世界を股にかけた自転車旅行』、上映時間は50分、制作は、ニコラ・メルカ氏。奥さんと子供3人と共に、1年(2002年7月〜2003年6月)かけて、南米(ペルー、ボリビア、チリ)、ニュージーランド、ニューカレドニア、インドネシアを旅行した。タンデム2台で子供を1人ずつ乗せ、3人目の子供は自力で走行。

 21h00より第5部

『7年間にわたる世界一周自転車旅行』、上映時間は50分、制作は、クロード・マルタレー氏。ヨーロッパ、アジア(日本も含む)、アメリカ、アフリカを走破。日本では、東京にある自転車文化センターを訪問している。『自転車文化センターは大変素晴らしかった』とのことで、将来は、自転車博物館か自転車文化センターのような施設を、スイス(マルタレー氏はジュネーブの出身)に建てたい、という夢を持っている。

 

 1月23日(日)

 11h00より第6部

『タンデムによるシベリア(モスクワからウラジオストックまで)横断旅行』、上映時間は40分、制作は、ルドミラ&ウラジミール・バサラエフ夫妻。結婚30周年を記念して計画した。2台の実用車を溶接して作った自家製のタンデムを使用したが、その溶接部分が2度にわたり剥離し、再溶接しながらの旅であった。
『マダガスカル縦断自転車旅行』、上映時間は20分、制作は、カトリーヌ&オリビエ・ブルゲ夫妻。3ケ月かかった。第1部のエチオピアとこのマダガスカルの旅は、17ケ月にわたった中近東と東アフリカの旅の一部に過ぎない。

 13h50より第7部

『パリからバマコ(アフリカ、マリの首都)までの自転車旅行』、上映時間は70分、制作は、レミ・ブラン氏。60才を記念しての旅行計画。パリから、スペイン、マロッコ、モーリタニアを経てマリまで、133日、8400kmの旅。

 15h45より第8部

『アフリカ西海岸の旅』、上映時間は32分、制作は、フレデリック&ニコラ・ミシュラン兄弟。2002年10月から2003年6月にかけて、トーゴ共和国からフランスまでの旅。蜂の襲撃に悩まされた。
『兄弟2人で世界一周自転車旅行』、上映時間は30分、制作は、オリビエ&パトリック・ピエラール兄弟。2年間をかけて、西アフリカと南米を走破(15000km)した。

スライド映写会の始まる前に、主催者を代表して挨拶するジャンミッシェル・パオロッティCCI会長 。
スライド上映会場の入り口近くで開かれたサロン。


 スライド上映の技術は、写真・音楽共に年々アップしており、上映の後に大きな拍手があることも珍しくなくなった。又、上映の合間に2人組の漫才があり、スライド上映だけでの単調さを多少なりとも和らげていた。
 
  今年は土日の2日間をかけて開かれ、特に日曜の人手が心配されたが、2日間を通して超満員であった。2日間の延べで、700人以上の入場者があったと推定されるが、その大半は、CCIの会員(会員同士の交流ができる、年に一度の機会)、スライドを上映した自転車旅行者の知り合い等の常連であった。又、世界一周等の自転車旅行の計画を持っている人も結構いて、上映後の質疑応答で大変具体的な質問が多かった。更に、長距離の自転車旅行に出たいのはやまやまであるが、なかなか実行に移せない人々が、『夢を見にくる』というケースもかなり多いように思えた。

  スライド各部の間は大体1時間程度あったが、その間、上映会場の入り口近くで開かれたサロンの見学にあてられた。世界一周等自転車旅行の紀行文を出版して、それを販売しているスタンドが多かったが、その中でも、スライドを上映した人がいるスタンドに人気が集まっていた。それ以外では、主催者であるCCIやFFCT(フランス・シクロツーリスム連盟)の関係組織、自転車旅行関連の書籍を扱う出版社や専門書店のスタンドが設けられていた。フェスティバル会場の地下1階には、ドリンクやサンドウィッチ等の軽食を販売する売店があったが、全部売り切れてしまう程の盛況であった。

  次回の日程はまだ発表されていないが、毎年1月の第3週ということになっているため、2006年1月21&22日と推定される。ただ、土曜の1日だけとするのか、週末を通しての2日間とするのかは、まだはっきりしていない。

 第20回自転車旅行フェスティバルの主催者である、CCIの連絡先は以下のとおり。

住所
CYCLOCAMPING INTERNATIONAL
25, rue Ramus
75020 PARIS
France
電話
+33 1 4797 6218
HP
http://www.ccci.asso.fr


このページのTOPへ↑ 


Copyright, 1998-2005 Bicycling Popularization Association of Japan. All rights reserved.